きほんブルックリン

2019年日本への本帰国を目指しながら、大好きなブルックリンのこと日々の生活を徒然。

Robert Glasper@Blue Note New York on Oct 24

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グラスパーのライブ、ここ1年で多分3、4回見ていることになると思う。
私がとびっきりファンなわけではないですが、友達に誘われたり、フリーライブがあったりで見る機会が多い人。というイメージ。
やっぱり今が旬のアーティストなのですかね。

今回はMulgrew Miller Tributeのショウであり、以下のバンド。
October 24@Blue Note New York
Piano: Robert Glasper
Vibraphone: Stefon Harris
Bass:Derrick Hodge
Drums: Rodney Green

ヴィブラフォンのステフォンハリスは最高でした。
まさに完璧なプレイって感じでしたね、速弾きをミスなしでどんどん昇華していく様はなんかもう『おかしくね?』って感じで、笑ってしまうほどでした。


ただひとつ思ったのは、ヴィブラフォンって楽器としては面白い楽器なんだけど、音色のせいかちょっとパンチにかけるからメインになりずらい・・・。音域も3オクターブくらいしかないし。
こんなに上手なのに、同じ音形を弾くときピアノより難しいこともあるかもしれないのに、イマイチピアノに比べて感動が薄い、というか一般受けしずらいのは、やっぱりあの『ぽわぽわ~ん』とした気の抜けた音色のせいなのかなあ・・・(もちろんそれがヴィブラフォンの魅力なんだけど・・・)決してやってることは地味じゃないのに、地味感に見えちゃってなんか損でかわいそう・・・と感じながらライブ見てました。
と、思っていたら面白い記事を見つけました。

ビブラフォンの振動源は直方体だから,そうはいかない.パイプ (共鳴管) をぶら下げるなど,涙ぐましい努力をしてもこの図の程度である.図は対数目盛というやつなので,ビブラフォンでは基本波以外の成分の振幅はきわめて小さく,ないと言っても良いくらい.ビブラフォンの音は音叉や時報の音に近いのだ.長時間聴いていると単調でつまらない.どのジャンルでも,マリンバ・ビブラフォンなどが主流楽器になれない理由かもしれない.

ふむふむ・・・ピアノに比べるとビブラフォンは周波数が圧倒的に少ないのだそうだ。
なんか自分の感想がちゃんと科学的に立証されたみたいでちょっとうれしい笑

 

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グラスパーは相変わらずいぶし銀な感じで、終始チルでしたね。なんだろ、速弾きとかしても漂う空気がすごいチル。ジャズアーティスト特有のあんまりヒリヒリした感じはない。これ実のところドラッグの種類が関係しているんじゃないかと個人的には思ってます。たとえば、マイルスとかチャーリーパーカーのような先人たちのあのヒリヒリは、もちろん技術や性格も影響しているでしょうけど、コカイン中毒だったことも少なからず影響しているはず。
グラスパーがコカイン中毒じゃないとは100%言い切れないですけど、少なくともプレイの時にコカインやスピードでハイになっている感じはゼロです。それよりも彼はウィード:大麻が大好き。彼の楽曲(Robert Glasper Expriment X KAYTRANADAのintro冒頭でもゲホゲホと咳き込みながら”The Kush out here"(Kushはマリファナの種類)なーんてセリフがあったり、

『たったいま、レジーワッツとクリスデイブと大麻クッキー食べたとこ。どこに連れてってくれるんかな!笑』
こんなツイートも過去残していますしね。彼のチル感は彼が好きなウィードからも来ているんじゃないかなあと思いますね。ウィードの効果というより、ウィード好きが漂わせるウィードイズム(注:造語です)な感じ。


フレーズでは、ところどころのフレーズでR&Bやポップスを彷彿させる節があって、なんかたまーに久石譲か?みたいな感じのめっちゃポップなイージークラシックみたいなノリを曲のエンディングで入れてドリーミーにさせるみたいなところがあって、そうゆうところはコンテンポラリージャズ~って思わされる。

でもやっぱりグラスパーはR+RとかRobert Glasper Experimentやってる時のほうが好きなんだなあ~スタンダードやっているときの彼にはあまりハッとさせられない・・・

Exprimentのアルバムはバランスが良くてとっても好きだった。

 

 

と、まあ私の好き嫌いはさておいて、Blue Note New Yorkで1か月レジデンシーを務めるのDizzy Gillespie, Chick Corea, Chris Bottiの3人に次いで4人目だと言うのだから、間違いなくジャズの『今』なのでしょう。
バードがビバップをやっていた時も世間には不評で周りは何が起きているのかわからず、あとからビバップってジャンル分けされているくらいだし、きっとグラスパーがやっているジャズ×ヒップホップみたいなのもこの先10年間似たようなことする人がどんどん増えて新たなジャンルになっていくんだろうな

でもそのとき『ジャップホップ』なんてジャンル名になったら、我らジャップはうおーい!って大コケしてあげましょうね。