きほんブルックリン

2019年日本への本帰国を目指しながら、大好きなブルックリンのこと日々の生活を徒然。

憧れの!?プランテーションに泊まる!@ニューオーリンズ旅行記①

年を明けてからあまりの業務多忙でブログを放置しておりました・・・
ようやく仕事がひと段落ついたので、年末の旅行の件をこれからちょびちょびと更新するぞー!

と言うわけで、今さら今年の挨拶をするのもなんですし、どんどん年末のニューオーリンズ旅行の話をしていこうかと思います。

 

年末は12月29日~1月3日まで、ニューオリンズに5泊6日してきました。
1泊目はニューオリンズ郊外(車で1時間半ほど)のプランテーションのホテル宿泊!これはニューオリンズ旅の中でも私がとても楽しみにしていたもの。
という訳で、今日はプランテーション宿泊記になります。

プランテーションとは?

18世紀~19世紀にプランター(農家)たちが建てた農園がプランテーション。その多くがアラバマ、テネシー、ミシシッピ、そしてルイジアナなど、南部を中心にして栄え、主な収入源はサトウキビやコットンの栽培などの単一農業でした。映画『風と共にさりぬ』の舞台というと一番わかりやすいでしょうか?

勘の良い方、あるいはアメリカ在住の方はもうお分かりでしょうが、このプランターの多くは白人農家であり(私も知らなかったのですが、なんと黒人がプランターである農園もありました)、労働力の主は黒人奴隷でありました。
多くの黒人たちの過酷な労働で出来たものが、豪華絢爛のプランテーションであり、華やかな白人社交界の裏では多くの黒人奴隷たちが命を落とした、まさにアメリカの歴史の光と影の象徴でもあります。

Nottoway Plantationに泊まる

現在ルイジアナ周辺には約70のプランテーションが現存しており、そのうちの11個がアメリカ合衆国国定歴史建造物 (National Historic Landmark, NHL) とみなされています。

一般公開しているプランテーションは、たいてい数時間のツアーに参加できるものですが今回はどうせなら泊まろう!ということで、泊まれるプランテーションを見つけました!(先ほども述べたような歴史的背景からアメリカ人旦那には『白人として恥ずかしい歴史だからあまり泊まりたくない』と言われましたが、なんとか連れ出し・・・)

調べたところ有名なOak alley PlantationやHoumas House Plantationにも宿泊施設はあるのですが、そちらはあくまで本館とは別のコテージに泊まるもので、Nottowayならお屋敷に泊まれるとゆうことで今回はこちらにしました。

ノットウェイプランテーションは前途した国定歴史建造物ではありませんが、1859年に建造されアメリカ合衆国国家歴史登録財に登録されています。(いろいろ違いがあるんですねえ・・・)f:id:msmisty:20190306002740j:image

見よ!このホーンテッドマンション感!
(何見てもディズニーで例えちゃうようなこの癖なんとかならんかね)
年末だったので、クリスマスデコレーションが華やかで、豪華さを増しています。
↑が本棟で、この本棟のほかに敷地内にはプールやジャグジー、スパなど併設しており、結婚式会場などにも使われるリゾート施設となっています。
後日、ニューオーリンズ在住の夫の友達(白人とメキシコ系のアメリカ人カップル)が『ニューオリンズでは、プランテーションで結婚式をやる人たちが結構いるけど、それだけはしたくなかった』と言っていましたので、リベラル寄りの人たちからは『趣味悪い』という意見もあるのだな、と実感。

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館内地図(地図で見るよりは全体は小さい印象です)

宿泊できるお部屋は、本棟、別館そして庭にある個室コテージがあり、もちろん本棟に泊まりたかったのですが、残念ながら予約がいっぱいで今回は別館(と言っても本棟から数メートル)のBoys Wing、つまりは男子棟に宿泊。

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John Hampden Randolph Room 

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Moses liddell randolph Room

お部屋はこんな感じで、今回は4名宿泊なため2部屋お写真をご紹介。
部屋には子供たちの名前がついています。John Hampden Randolph部屋の方が若干大きめで、ベッドも豪華めでしたが、部屋のかび臭さがすごい。まあ建物古いから仕方ないよね~
男子棟の一階は古いキッチンを改装したカフェスペースになっていたため『我々が泊まる部屋は、本当は使用人の部屋だったのでは・・・?』と思わされたのですが、ガイドツアーでは我々の部屋のことを『家主の息子たちが生活していた男子部屋』と紹介していました。真相はいかに(完全に疑っている)。

 

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我々の部屋は2階にあり、目の前はポーチと綺麗に管理された庭園が広がっています。

19世紀の金持ち貴族になった気分になり庭園を眺めてみる・・・

『これ毎日見てるの飽きるだろうなぁ~
周りになんもないし』

約30年間都会で過ごしている自分には想像がつきませんでした・・・
夜中は汽車の汽笛が聞こえて『すっごい田舎にいるなあ~』と実感しました。のんびりしてて良いです。

ホテル内のレストランThe Mansion Restaurantにて

ホテルに着いたのが夜だったので、そのまま館内にてディナー。

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Pan Sautéed Gulf Redfish ピーカンナッツのソテーが南部らしい

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旦那はBroiled Pork Chops

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ご当地ビール、Southern Drawl Glasshopper Pilsner バンジョーが可愛い!

ニューヨークから来ると高くもなく、安くもなくって感じですが、高級感はある内装でした。客層を見ると、白人シニアな方々が多いので、リゾートで来てるって感じでしたね。
料理もニューアメリカンな感じで美味しかったです。ちなみに私が注文したRedfishは、NYでは見かけないお魚ですがニューオリンズではポピュラーな魚のようです!
Red Snapper(キンメ)ともまたちょっと違うみたいです。
味は淡白でレッドスナッパーと言われても分からない、レッドスナッパーより脂身は少ないかな?美味しいです。

小ネタですが、南部1日目、サーバーのお姉さんの英語の南部アクセントが強くて聞き取れない。Y'all=You allの多用にちょっとウキウキする。You guysって言わないんだ!みたいな。 

館内ガイドツアー

翌日は宿泊者は無料のガイドツアーに参加。
これが結構人気で、というのもツアーバスがひきりなしに訪れるのであっという間にツアー上限人数(20人くらい?)に達してしまう。
30分ごと案内しているけれど、一回人数制限で参加できなかったので、参加したい方は早めに行って館前で待ってるが吉。f:id:msmisty:20190306002951j:image

(当時の)家主の婦人の肖像

f:id:msmisty:20190306002959j:imageヴィクトリアン調の衣装に身を包んだガイドf:id:msmisty:20190306003017j:image

 私たちのガイドさんは男性で、ナイスなお髭◎(27歳でこの貫禄とのこと、あっぱれ)

年末だったので、館内のクリスマスのデコレーションが綺麗~
館内ツアーはおよそ40分ほどかけてじっくり本棟を回れて、ガイドさんが家主の歴史や建物のデザイン、構造について詳しく説明してくれます。
ただひとつ気になったのが、当時の奴隷たちのことを"African American Workers"と言ってまるで奴隷制が無かったかのように説明していたこと…(Workersって言ったってロクな賃金を払われていないし、彼らに自由などなかったのだからWorkers呼びは語弊があると思う)

ニューオリンズに来る前、アメリカ人の友達から『南部の歴史は白人側と黒人側とで、語り継がれるものが全く違う』と言われていたことを実感した一瞬でした。f:id:msmisty:20190306003105j:image

 家主のマスタールーム(なんとこの部屋も泊まれます!)

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音楽部屋。部屋の楽器も当時のものとのこと(ほんとかなぁ~)

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天井の装飾やドアノブなど、細かいところに手間暇をかけたことが伺える


館内には64もの部屋があり、屋敷内の面積だけで53,000 スクエアフィート(約4,900 m2)あるそうです。ってどれくらいかって良く分からなかったんで、比較対象とすると、サッカーフィールドが7140 m2ですって!

金持ちの象徴、大理石で出来た暖炉が屋敷内に12個もあるだの、ボールルーム(舞踏質)の壁が半円状に婉曲しているのですが、この婉曲した木を作るには約2年かんかかる=金がかかるだの、19世紀に家のなかにガスを通して、全館ガス灯だっただの…
とにかく金持ちが金をかけまくり、当時の技術と人力を駆使しまくり、出来ること全部やりましたハウス。

しかも家主であったランドルフ氏には、なんと11人もの子供がいたっていうんだから、当時の医療技術で11人てすごいな、家主も奥さんもやりおるで。

そして最大で200人もの奴隷を自分の農場や邸宅で働かせていたとのことです。これは当時の南部としても相当の奴隷所有数であったとされています。
その後、奴隷解放宣言時には53名の奴隷を正規雇用したそうです。

歴史的背景のことを話し出すとなかなかとっつきづらい観光場所ではありますが、19世紀の歴史的建造物に泊まれるのはなかなかの体験です。
ご興味のある方はぜひ一度体験されてはいかがでしょうか!(ちなみに1泊で十分です)

 

Nottoway Plantation
https://www.nottoway.com/
※New Orleansの市内から車で約1時間半